花粉症の症状は風邪より辛い!?

風邪だと思ったら花粉症!?そんな体験をしたことはありませんか?花粉症患者の多くは最初は風邪だと思っていたなんて話をよく聞きます。しかしじっくり見てみれば花粉症と風邪にも見分け方があるのです。

花粉症の症状は風邪より辛い!?
医者

くしゃみや鼻水、喉の痛みなどが現れ、「風邪かな」と思って解熱鎮痛剤を飲んでも、なかなか症状が改善されず、医療機関へ行ったら花粉症と診断された、という経験をした人は多いのではないでしょうか
花粉症の症状によっては、風邪の症状と非常に似ている点があり、特にこれまで花粉症に罹っていない人が罹った場合には、風邪だと思い込んでしまう場合があります。

花粉は一年中空気中に漂っていますが、特に多くの人が悩まされているのが、スギやヒノキ、シラカバ、ブタクサ、カモガヤなどです。
これらの花粉が空気中に飛散することで、風邪に似た症状が起こります。
飛散する時期は、春先や秋が多く、ちょうど季節の変わり目に当たる時期もあることから、花粉症ではなく風邪だと思い込んでしまうのです。

しかし、花粉症の症状を詳しく見ていくと風邪との違いが分かってきます。
ここでは、花粉症について風邪との症状の違いや、見分ける方法などを見ていきましょう。

花粉症と風邪を見分ける方法

鼻水やくしゃみ、咳が出始めると、「風邪かな」と思ったら一週間以上を過ぎても症状が変わらないので、医者に診てもらうとそれは風邪ではなく花粉症だった、ということはよくある話です。

日本には花粉症を引き起こす花粉は、実に50種類以上存在しています。
そのため、花粉によっても現れる症状に違いがあります。

◎スギ花粉
2月~4月頃に北海道以外の全国各地で飛散します。
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の痒み・充血などの症状が出ます。
スギ花粉症を見分ける方法は、鼻の粘膜を刺激するため、鼻に辛い症状が起こりやすいという特徴を覚えておきましょう。
◎ヒノキ花粉
3月~5月頃に関東より南の地域で飛散します。
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の痒み・充血など、スギ花粉と似た症状が出ます。
ヒノキ花粉症見分ける方法は、スギ花粉よりも目に辛い症状が起こりやすいという特徴を覚えておくと良いでしょう。
◎シラカバ花粉
4月~5月頃に関東より北の地域・中部の高冷地などで飛散します。
症状は、スギやヒノキの類似していますが、シラカバの場合、重症化すると痰が絡んだ咳が出たり、喘息のようにゼーゼーという呼吸になりやすいという特徴があります。
シラカバ花粉症を見分ける方法は、口腔内で辛い症状が起こりやすいという特徴を覚えておきましょう。

花粉症の症状が最も多く起こる時期は、スギ花粉やヒノキ花粉が飛散する春先で、その割合は花粉症患者の約2分の1以上と言われています。
しかし、最近ではブタクサやカモガヤなどの雑草花粉が飛散する秋にも約4分の1の人に症状が現れています。

植物によって花粉粒子の大きさが違い、秋の雑草の花粉は春の樹木の花粉に比べて小さいです。
そのため、鼻の内部にまで到達して粘膜に付着し、刺激を与えます。

花粉症の症状は風邪とよく似た症状であるため、素人の私達では中々見分けることが難しい場合もあります。
しかし、現れた症状をよく観察することで、花粉症なのか風邪なのかが区別できることもあります。

花粉症と風邪を見分ける方法としては、5つの症状に対して「有るか無いか」、「どのような状態か」、「どのくらいの期間か」を比べることです。
その観察結果で、自分はどちらに罹っているかが判断できます。

【風邪の場合】

  1. (1)鼻水の状態:粘り気があり、場合によっては黄色っぽくなることもあります。
  2. (2)目の痒み:無いです。
  3. (3)発熱の有無:出ない場合もあり、発熱時には微熱~高熱が出ます。
  4. (4)食欲の有無:微熱時には低下し、高熱時には無くなります。
  5. (5)天気との関係:関係無いです。
  6. (6)継続期間:5日~1週間程度です。

【花粉症の場合】

  1. (1)鼻水の状態:粘り気がなく水のように垂れます。
  2. (2)目の痒み:有ります。酷い時には充血することもあります。
  3. (3)発熱の有無:有る場合と無い場合があり、発熱があっても微熱程度です。
  4. (4)食欲の有無:有ります。
  5. (5)天気との関係:関係があり、晴天時に悪化する傾向にあります。
  6. (6)継続期間:対象となる花粉が飛び続ける限り症状が出るため、数ヶ月間続くことが多いです。

特に違いの大きい点は、鼻水の状態と目の痒み、継続期間の3つです。
花粉症の場合、粘り気が全くないので何もしなくてもダラダラと垂れてきます。
水のように無色透明です。

風邪の場合、ウイルスがのどや鼻の粘膜に付着し、増殖することで発症します。
そのため、目の痒みはありません。
風邪は高熱が出てもおよそ1週間程度で鎮静してきますが、花粉症は花粉が飛び続けている2ヶ月~3ヶ月(複数の花粉に反応がある人はそれ以上)は症状が続くことが多いです。

花粉症と風邪では、たとえ症状が似ていても根本原因が異なるため、対処方法も異なってきます。
従って、辛い花粉症を和らげるためには、まず自分の今の状態がどちらなのかを見極め、適正な方法で対処することが大切です。

花粉症と風邪は原因が全然違う

くしゃみ

花粉症と風邪は症状がとても似ているため、時には間違えてしまうこともあります。
しかし、その根本にある原因は全く違います。

花粉症の原因は花粉です。
空気中に飛散している花粉が、鼻・喉・目などの粘膜に付着することで、それがアレルゲンとなって粘膜を刺激し発症します。

アレルゲンとなる花粉が体内に侵入すると、体内では刺激物が侵入しきてきたとして花粉を体外へ排出しようとします。
これを免疫反応と言い、その免疫反応として起こるのがくしゃみ・鼻水・涙などです。

植物の花粉(抗原)が体内の粘膜に付着すると、体内では抗体(抗原に対抗するための物質)を作り出します。
この抗体は脂肪細胞と合体して体内に残ります。
そして、再び抗体である花粉が体内に侵入すると、抗原と合体した脂肪細胞からヒスタミンという物質が放出されます。
ヒスタミンは、ヒスタミン受容体を結合してくしゃみや鼻水などの免疫反応を引き起こして、花粉を体外へと排出させようとするのです。
これが花粉症の発症経緯です。

一方、風邪の原因はウイルスです。
空気中に漂っているウイルスが、喉などの粘膜に侵入し付着することで発症します。
ウイルスは花粉とは異なり微生物の一種であるため、自ら増殖することができます。
そのため、侵入したウイルスがほんのわずかな数であっても、潜伏期間中にどんどん増殖を繰り返し風邪を引き起こすことができるのです。

ウイルスが喉などに付着すると、粘膜組織をエサに増殖を繰り返します。
すると粘膜に炎症が起こります。
体内では、侵入してきたウイルスを体内から排除するため、咳・鼻水・くしゃみ・発熱といった症状を起こすのです。
特に風邪で熱が出る場合は、高熱を出すことで体内のウイルスを死滅させようとする、一種の防御機能なのです。

風邪の症状は、ウイルスが侵入して付着した場所によって異なってきます。
例えば、鼻の粘膜に付着した場合にはくしゃみや鼻水・鼻づまりなどが起き、喉に付着した場合には喉の痛みや咳、痰などが起こります。
更に、ウイルスの毒素性が高い場合や、免疫活性細胞であるマイクロファージと呼ばれる物質や、白血球がウイルスを攻撃し始めることで熱が出てきます。

情報伝達物質によって視床下部にウイルス侵入の情報が伝わると、全身に発熱するように指令を出します。
これにより各組織では、血管を収縮させたり汗腺を塞いで熱を体内に閉じ込めようと働きます。
熱はどのように出すのかというと、筋肉を振動させることで熱を発生させています。
風邪を引くと辛い悪寒を感じること時がありますが、この時の震えが発熱を起こしている状態なのです。

花粉症でも熱が出る場合もありますが、出たとしても37度程度の微熱で、それ以上出ることはほとんどありません。
また、花粉症での発熱は風邪とは異なっており、酷い鼻づまりで呼吸が上手く行えない状態が続くことで、脳に十分な酸素が行かなくなり軽い酸欠状態になることで起こります。
また、花粉症によって体力が低下することで免疫力も低下することも原因となっています。

このように、花粉症と風邪の原因は花粉とウイルスであり、2つは全く違うものです。
粘膜に付着して刺激を与える点では共通していますが、花粉は微生物ではないためそのもの自体が分裂して増殖することはありません。
一方、ウイルスは微生物なので、自ら分裂して増殖することができます。
そのため、体内での防御機能の働きも変わってくるわけです。

しかし、花粉でもウイルスでも、体内に侵入し粘膜に付着したら必ず発症するわけではありません。
人間にはもともと免疫力が備わっているため、体力がある場合には炎症を起こす前に対処することができます。
ところが、疲れやストレス、睡眠不足などで体力が低下すると免疫力も低下してしまうため、風邪や花粉症を発症してしまうのです。

花粉症と風邪だと症状が収まるまでの時間も違う

花粉

花粉症と風邪の区別が分からないという時も、5日~1週間程度経過すると徐々に分かってきます。
それは、この2つの症状は収まるまでの時間に違いがあるからです。

風邪はウイルスが原因であるため、ウイルスの活動が収まることで症状が改善されていきます。
ウイルスはおよそ5日~1週間程度で死滅するため、症状が収まる時間も5日~1週間程度です。

花粉症は花粉が原因です。
たとえ、体内の花粉を排除できたとしても、根本の花粉が飛散していれば継続して症状が現れます。
花粉症が収まるまでの時間としては、花粉の飛散する時間によって変わってきます。
では、一体どのくらいの時間なのかを、花粉の種類と共に見てみましょう。

スギ花粉の飛散時期

スギ花粉の飛散時期は、関東エリアで2月上旬~5月までがピークとなり、その後7月上旬までは飛散します。
そのため、スギ花粉症の人は症状が収まるまでに3ヶ月程度かかる場合があります。

ヒノキ花粉の飛散時期

ヒノキ花粉の飛散時期は、関東エリアで3月上旬~5月までがピークとなり、その後7月上旬まで飛散します。
ヒノキ花粉症の人は、症状が収まるまでに1ヶ月半程度かかる場合があります。
なお、スギ花粉と飛散時期が重なっているため、両方の花粉に反応する人は長引くことがあります。

シラカバ花粉の飛散時期

シラカバ花粉の飛散時期は、北海道エリアで4月下旬~6月上旬です。
スギやヒノキほどの飛散量はありませんが、重症化すると喘息に似た症状が出やすいので注意が必要です。
シラカバは寒冷地に生息しているため、東北以南ではほとんど飛散しません。
シラカバ花粉症の人は、症状が収まるまでに1ヶ月半程度掛かる場合があります。

イネ科の花粉の飛散時期

イネ科の花粉は、関東エリアで5月~6月中旬がピークとなり、10月中旬くらいまで続きます。
7月半ばにはいったん飛散が落ちつきますが、7月後半から再び飛散し始めます。
イネ科の花粉症の人は、症状が収まるまで1ヶ月半程度かかる場合があります。
また、一度収まったとしても再発する場合もあります。

ブタクサ花粉の飛散時期

ブタクサ花粉は、関東エリアで8月下旬~10月頃がピークとなり、10月上旬まで飛散します。
ブタクサなどの雑草は1つの株で大量の種を飛ばすことができるため、どんどんと増えていきます。
また、地球温暖化により生息期間も延びていることから、10月以降も飛散する可能性が高いです。
ブタクサ花粉症の人は、症状が収まるまでに1ヶ月半~2ヶ月程度かかる場合があります。

風邪の場合

風邪の場合は、ウイルスが死滅して体内からいなくなるとで完治させることができます。
しかし、花粉症の場合は、医療機関で医師の診断を受けることで症状を軽減させたり、花粉が飛散する前から対処することで、日常に支障をきたすことなく生活することはできますが、どちらの対処法も花粉症を完治させる方法ではありません。

花粉症の対策や予防法

従来までの花粉症対策は、予防法と対症療法がメインで根本改善は困難でした。
しかし、2014年から「舌下免疫療法」が花粉症の改善療法として保険適用内となったことで、花粉症完治の有効率が以前の20%から約80%にアップしました。
これにより、ほぼ完治に近い状態にまで到達できるようになったのです。

舌下免疫療法は、最低でも2年間は継続して行う必要がありますが、8割程度改善されれば今までのような辛い症状がなくなるため、非常に楽になります。

花粉症には、こうした最新療法がありますが、まだまだ一般的に浸透してはおらず、多くに患者さんが予防療法や対症療法によって症状を軽減させています。
従って、まだまだ花粉症の方が継続期間が長いのが現状です。
まだ一般的なのは「舌下免疫療法」ではなく、花粉症をはじめとするアレルギー症状を改善できる治療薬を服用する方法です。
ジルテックという抗アレルギー薬もありますが、副作用が少ないものを選びたい人は同じく治療薬のザイザルというものもあります。

今後、医学が進歩することによって、花粉症の症状が収まる期間も短縮していくことは十分に考えられますが、現在のところは、花粉症と風邪とを見分ける一つの方法として、症状の継続期間が1週間以上かどうかという判断は有効なので、他の基準で判断が付かない場合は、症状が収まるまでの時間で判断すると良いでしょう。

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